テスト

2016年4月11日月曜日

日本オフショアビジネス協議会 ①中堅ソフト開発会社のビジネスの未来  2012年


ITコーディネータ京都への投稿は

ここをクリック

はじめに

 1990年のバブル崩壊以降の時代の変化を振り返ると、“2008年のリーマン ショック”は日本の経済にとって決定的な分岐点であった。
そのショックで 世界中が大不況となり、日本の株価は大暴落した。日本の大手企業が軒並み大幅赤字となり、
あっという間に国内消費が冷えこんだために日本の産業界に
大打撃を与えた。
経営者は日本市場の収縮傾向が明確となり、 日本企業は海外でのビジネスを伸長しないとグローバル競争に生き残れないことをやっと自覚させられた。このことが 日本の“本格的なグローバル化へのトリガー”となった。

 そのため人事部門では中国人等の外国人を本格的に採用しはじめ、逆に
 多くの日本人が外国資本の企業で働くようになってきた。IT業界においても
 グローバル化が進展し、私と同じ団塊の世代の仲間も退職後、中国資本の
 IT企業で働く人がいつの間にか増加している。日本と中国とのビジネス上の
 立場も変化が出てきている。今までは日本が中国のお客様の立場であったが、
 これからは反対に中国が日本のお客様の立場になってくる。テレビを
 見ていると、旅行業界では大勢の中国人観光客が大型クルーズ船で博多や
 神戸に寄港し、百貨店や家電店でショッピングを楽しんでいる。日本人が
 中国の動向やニーズを十分に理解することはこれまで以上に大事に
 なってくる。このようにリーマンショックが発生した「2008年」は日本の
 “本格的なグローバル化の元年”となった。

 最近の新聞を見ていると、大手電機メーカーの記事は殆どが“リストラ・
 人員削減”、“日本工場の縮小・閉鎖”、“中国への工場移転”など暗い
 テーマの見出しばかりである。更に円高や電力不足の懸念までが追討ちを
 かけている。グローバルな視点から日本の進むべき方向性を見つけて、早く
 この閉塞的な状況から抜け出さないといけない。日本の財政が数年以内に
 デフォルトに陥ると予言をする辛口のコンサルタントまでいる。しかし
 日本経済の暗くて悲観的な面ばかり見ても仕方ない。ピンチはチャンスだと
 思って、現実を直視しながら前を向いて自分の道を明るく進むしかない。
 “本格的なグローバル化の時代”にはそれに対応したビジネス戦略が必要に
 なる。

 私はITベンダーで、中国や東南アジアに進出する日系製造業の情報システム
 構築の支援を長年担当してきた。また海外職業訓練協会OVTAで
 国際アドバイザーとして、海外に駐在員として赴任される方へのキャリア
 コンサルティングの仕事に携わってきた。中国での仕事の内容としては
 「中国現地法人のIT上流工程の仕様作成」のための人材育成であった。
 具体的には「現地法人のIT上流工程の仕様作成」のプロセスは以下のような
 内容である。
 (1)ビジョンの確立:「日本経営品質賞」の「組織プロフィール」を活用
  自社の“現状とあるべき姿”を明確にする。“顧客・競争環境・経営資源・変革”の認識
    自社の“変革すべき部分”と“堅持する部分”の切り分け。儲かる仕組み作りの創造。
    良い経営は他人は教えてくれない、自分で悩みながら考えるしかない。
    「日本経営品質賞」は短期的な“納期やコスト”だけではなく、長期的な
    顧客視点の“成熟度”の向上がより求められる。
 (2)実現方法の具体化:「バランススコアカード」を活用
  “SWOT分析”で“重要成功要因”を決めて、“戦略MAP”を作成する。
 (3)実現方法の数値化:「バランススコアカード」を活用
  “業績評価指標”を設定し、アクションに結びつける。
 (4)目標達成の具体化:「プロジェクトマネジメント」を活用
  要件を確認して、“プロジェクトマネジメント”を計画を作成する。

 米国流のグローバルスタンダードな手法である「日本経営品質賞
 (マルコムボールドリッジ賞)」と「バランススコアカード」と
 「プロジェクトマネジメント」を使うと分かり易く可視化されており、
 “理屈好きで、米国好き”の中国人スタッフには好評で、打合せが
 スムースに進行する。

 日本の上場企業の中で、もはや日本国内だけでオペレーションしている
 企業は存在しない。必ず海外に拠点を持っている、特に殆どの日本企業が
 中国に現地法人を持っている。IT業界でも日本と中国は一衣帯水で
 切っても切れないビジネス関係にある。ここでは“中堅ソフト開発会社の
 中国へのオフショア開発ビジネスの未来”について、徒然なるままに独断と
 偏見を交えて分析を試みる。

0 件のコメント:

コメントを投稿